クリーニング屋が明かす、やってはいけないスエードシューズの洗い方
スエードシューズは、オールシーズン使えてカジュアルにもフォーマルにも合わせられるのでとても使いやすいですよね。
使いやすい一方で、スエードは非常にデリケートな素材でもあります。
今回はクリーニング屋の視点で、スエードシューズのお手入れの仕方や洗い方を解説します。
目次
- 1.スエードシューズの特徴
- 2.スエードは水に強い?弱い?
- 3.スエードシューズの手入れの方法
- 4.やってはいけないスエードシューズの洗い方
- 5.洋おすすめのスエードシューズの洗い方
スエードシューズの特徴
スエードは子牛や子羊の革の裏面をやすりで起毛させた素材で、滑らかな手触りと柔らかい光沢があります。高級感があるため革靴やバッグにもよく使用されます。
さらに染色しやすくカラーバリエーションが非常に豊富です。
その一方で細かい起毛の間に汚れが入り込みやすく汚れやすい素材でもあります。
また水に非常に弱く、雨などが染み込むとシミになったり、色落ちしたり、革が固くなり風合いが損なわれる可能性もあります。
洗う事が難しいため、基本的に汚れや染みの付着を予防するためにも、スエードは日常的にお手入れをしましょう。
スエードは水に強い?弱い?
一説によるとスエードは水に強いという話も聞きます。
しかしクリーニング屋の視点としては、スエード素材は水に弱いという意見に票を投じます。
スエードが水に強いと言われる理由は起毛にあります。
スエードは革が細かい起毛に覆われているため、水が起毛部分に触れたとしても、接地面が少なく弾かれるため、直接水分が革の中に染み込みにくいと言われています。
ただし、これは少量の水の場合です。大量の水に長く触れるシーンではスエードに水が染み込みやすいといえます。
特にスエードシューズは雨や水溜まりなど水に濡れ易いのでなおさら注意が必要です。
スエードシューズの手入れの方法
ブラッシング
スエードの性質として汚れが溜まりやすいため、日常的に馬毛ブラシなどでブラッシングして汚れや埃を落としましょう。毛が潰れている場合は、毛の流れの反対に撫でて毛を立たせてから、流れに沿って毛並みを整えるようにブラッシングすると効果的です。
クリームを塗布する
他の革と同じくスエードは油分を含んでおり、それが柔らかな光沢感を引き出しています。履いている内に抜けてしまう油分を補給するためにクリームを定期的に塗ってあげましょう。クリームを塗る際も馬毛ブラシがおすすめです。
撥水スプレーをかける
水に弱いスエードを守るため、水を弾く撥水スプレーをかけましょう。
履き始めや雨の後などに定期的にかけることで効果を維持できます。
クリーニングする
ブラッシングでも落ちない染みや汚れがスエードに付いた場合はクリーニングが必要となります。 市販品のクリーナーを使って自宅で洗う事もできます。
しかし、詳しくは後述しますが自宅洗いはおすすめできません。
やってはいけないスエードシューズの洗い方
自宅で洗う【高リスク】
市販品のクリーナーを使ってスエードシューズのお手入れを紹介する記事や動画を多く見かけますが、それらの方法はリスクとリターンが釣り合わないため全くおすすめできません。
・自宅で行う場合の洗い方
市販品のクリーナーを使用して洗う場合はスポンジと併用します。
- スエードシューズを軽く水で濡らします。
- クリーナーをスポンジで泡立てて優しくスエードを洗う
- 水に濡らしたタオルなどで泡を取り除く。
- 最後に水気を取り、風通しの良い日陰で乾燥させる。
一見すると簡単そうに見えますが、これらの工程には大きな欠点があります。
・スニーカーの風合いを損ねるリスクが高い
実は靴に塗布するクリーナー自体にもリスクが隠れています。
クリーナーの成分は日に当てる事で化学変化を起こす場合があり、靴にクリーナーの成分が残ったまま使用すると、黄変などの新たなトラブルに繋がる可能性が高いです。
そういったクリーナーの成分によるトラブルを避けるにはスエードを水で流し、クリーナーを洗い落とすべきです。
しかし、スエードは水に弱い素材です。
スエードに水を長時間さらすと、新たなシミの原因になり、色落ちしたり、革が固くなり風合いが損なわれるリスクに繋がります。
あちら立てればこちらが立たぬとは正にこのことです。
・靴内部の汚れや臭いは取れない
上記の手順でスエードの表面を綺麗にすることが可能です。
しかし、この方法は靴内部の汚れや臭いの対処としては不十分です。
だからといって水でじゃぶじゃぶ濯ぐとスエードには悪影響を及ぼします。
シミや洗剤汚れなど別のトラブルを引き起こすリスクが高いのに、靴の臭いは取れない。
これほどリスクとリターンが釣り合わない事はありません。
おすすめのスエードシューズの洗い方
クリーニング専門業者に依頼する【おすすめ】
水に長時間晒さず、洗剤の成分を靴に残さず、スエードの表面だけでなく、靴内部の汚れや臭いを落とす。
これらを全て成し遂げる事は非常に難しい事です。
少量の水でスエードシューズを短時間にかつ十分に洗うには、プロの目と経験が必要です。
だからこそスエードのシューズを洗う場合はクリーニングのプロに依頼しましょう。
スワローチェーンなら、水と洗剤とスエードの相性を理解した職人が適切に洗います。
プロが洗うからこそ、スエードへの影響を最小限にしつつ、ニオイと汚れ落ちの洗浄効果が見込めます。
自信を持ってお勧めできますので、スワローチェーン店舗あるいはスワローチェーンの宅配クリーニングにてスエードシューズのクリーニングをお試しください。