防虫剤以外にやれることはある？衣類を虫食いから守る方法｜ライフスタイル｜スワローマガジン

防虫剤以外にやれることはある？衣類を虫食いから守る方法

2023.03.03

「お気に入りの洋服に虫食い穴が！」

毎年秋になると虫食い穴に困ったお客様の洋服補修のご相談が相次ぎます。

実は春の衣替えシーズンは虫食いの防止の天王山！
虫食い発生の原因と対策・適切な保管方法を押さえて、大切な洋服を守りましょう。

虫食いの原因

衣類を食べる害虫は洗濯した洋服に紛れたり、換気した時などに部屋に入り込みます。
この害虫が洋服の中で繁殖すると、その幼虫が洋服の繊維を食べてしまいます。

この害虫の侵入を防ぎ、繁殖させない事が予防の鉄則です。

害虫が発生しやすい環境

虫食いが発生しやすくなる環境は、主に以下の2つが挙げられます。

・温度が15～25度・湿度60％以上

虫は温度が15～25度かつ湿度60％以上の環境で活発に活動します。
暖かい部屋の密閉されたクローゼットや衣装ケースは湿度が高くなりやすく、虫にとって過ごしやすい環境です。
エアコンなどで年中暖かい現代の家屋は、虫にとっても繁殖しやすい環境だといえます。

・洋服の汚れなどのエサの充実

食べこぼしや毛髪・皮脂・汗汚れなどが付いた洋服は虫にとっては恰好のエサになります。
また、ウールやカシミヤといった動物性の繊維を好んで食べるため、冬服を保管している間に虫が発生しやすくなります。
（そして、冬服を取り出す秋口に虫食いの相談が増えます。）

さらに繊維の混ざったホコリも食べるため、ホコリが溜まりやすいクローゼットは虫たちにとっても良いエサ場になってしまいます。

虫食いが発生しやすい時期

主に春から夏にかけて湿度と気温が高くなり、害虫が発生しやすくなります。特に5月から7月にかけて繁殖する虫が多く、虫食い被害も増える傾向があります。

たとえば洋服を食べるヒメカツオブシムシは春に洋服に産卵し、6月頃に幼虫が産まれ約9ヶ月もの期間をじっくり洋服を食べて年を越して成長していきます。

ただし、衣類を食べる害虫の種類によって活動時期は異なります。中には、年に数回産卵を繰り返す種類もいます。（コイガなど）
複数種が繁殖した場合、ほぼ1年中虫食いの被害が発生する可能性もあります。

そのため洋服の保管環境は年中気を配る必要があると言えます。

※代表的な衣類害虫4種の幼虫（ここをクリックでモザイク無し画像。自己責任でお願いします。）　画像参照：（株）三共リメイク

※代表的な衣類害虫4種の成虫（ここをクリックでモザイク無し画像。自己責任でお願いします。）　画像参照：（株）三共リメイク

洋服を虫食いから守る3つの事

・防虫剤の使用

防虫剤から虫が嫌う成分が空気中を漂う事で、外部からの侵入に対して効果があります。
ただし、クローゼットやタンスなどある程度密閉された空間でないと効果が発揮されない事が多いため注意が必要です。
また、防虫剤の成分は空気より重いため、保管する衣類より上に設置する必要があります。
衣装ケースの底に置かれて洋服の下敷きになるような状態は避けましょう。